クリニックのご紹介

初めてお越しになった方のために

 

 練馬高野台にある整形外科・リハビリ科の診療所です。大きな設備はなく、高価な治療機械はありません。

 だから、目を引くようなものはないのですが、診察と治療をきちんと、あたりまえにやりたいと思っています。

 ここでは、当クリニックのかんたんなご紹介をいたします。

 

 

  世の中にはたくさんの病院や診療所があって、それぞれが良い医療をしようと努力しています。公立にせよ民間立にせよ、医療機関にはそれを作って運営してきた人たちの思いやこころざしがあって、実際の運営にも多少のちがいが出てきます。とくに個人立の小さい診療所の場合、お医者さんの診療に対する考え方・スタイルが色濃く反映されていると思います。

 

 同じくこのクリニックでも、ここはほかとちょっとちがう、ここはいいけれどここはちょっと?というところがあるはずです。良否の判断は、患者さんたちが行なうものですから、ここで触れることはできませんが、このへんはちょっと特色があるかな?と思われることをあらかじめお知らせして、皆さんのご判断の参考にさせていただきます。

 

1 あたりまえのことをあたりまえにしよう

 

 それが特色?といわれそうです。ですが、これがいちばんだいじ、と考えています。患者さんの話を聞いて、からだを診察して、いちばんむだがなくて、役に立つ治療を心がける。説明できることを説明する。かんたんなことであり、かんたんでもありません。


   からだのしくみはとても複雑で、故障がおきる理由を見つけるのはいつも簡単にできるわけではありません。レントゲンやCT,MRIでもすべての故障を見つけることはできませんし、血液・尿検査も同じです。


  ある話では、実際の患者さんの相談の7割は、特別な検査をしなくても、問診と診察だけで診断ができるといっています。そのとおりにできるかどうかわからないものの、それに近づけるように努力できればと思って診療しています。

 

2 手を使った治療を多く取り入れている

 

 医学的に見てむりのない範囲で、手を使う治療(手技療法)を行なっています。医師自身が行なうこともありますが、リハビリ室のスタッフが行なうことのほうが多いです。関節や筋肉の故障にとても役立ちますが、治療の適応や危険性も考えて行います。ですから、病気や故障の状態に合わせて、手技療法単独で治療することもあれば、薬や注射などのほかの方法と組み合わせたり、手技療法はまったく行なわずに治療することもあります。

 

 どういう方法を用いるかは、診察の結果で決まりますので、患者さんの希望を100パーセント受け入れるわけではありません。患者さんから手技療法を希望されても、適応がない、むしろ逆効果になりかねないと判断して、ほかの治療法を取ることはまれでありません。

 

 もうひとつ、基本的に機械を使った牽引療法を行っていません。これにはいろいろと理由があるのですが、牽引がほんとうに患者さんのための治療となっているのかわからないと、院長が考えているためです。


  しかし、世間一般で牽引療法が広く行なわれているのも事実ですので、牽引を希望して来院される患者さんには、診察の結果を伝え、代替的な治療法や生活指導を行なっています。したがって、牽引療法のみを希望される患者さんの場合、当クリニックの治療では満足いただけないことがあります。あらかじめご承知おきください。

 

 手技療法そのものは、おおまかにいうならマッサージやストレッチと同じですが、工夫を加えると、いろいろなからだの故障の治療に効果を発揮します。あなたに手技療法が向いているかどうか、診察後に説明します。また、治療を受けている際にも、遠慮なく医師やスタッフに質問してください。

 

3 漢方薬を使うことが多い

 

 漢方なんて、効くの?といまだに言われることがあります。はい、効きますよ。といっても、万能ではありません。ほかのくすりのほうがいい場合も多いし、予想と異なり、効きが悪いときには薬を換える場合があります。

 

 しかし、長年の経験から、漢方で治療して良かったなと思える患者さんの数はとても多いのです。漢方を使うようになって、ほんとうに良かったなと思って診療しています。

 

 とくに年配の方の治療では、ひとつのくすりでいろいろと良い効果が出ることがあって重宝します。くすりの使いすぎが話題になる昨今、これも漢方の魅力の一つです。

 

4 実際の生活にあった指導を心がける

 

 通りいっぺんの指導では役に立たないことがあります。どんな仕事をして、どんな暮らしぶりなのか。自分のからだについて、どのように考えているか。何が心配なのか。家族はどう受け止めているか。こういったことに気を留めて、実際的な指導をしようと心がけています。だから、ふつうのお医者さんより少しつっこんだ質問があるかもしれません。

 

 からだが故障しても、自分が心底愛してやまないスポーツや習い事は続けたいと思うのが人情です。休まなければならない場合もありますが、何とか続けながら治していく方法がみつかることもあります。

 

 わかっちゃいるけどやめられない(悪)習慣や、無理があるとわかっていても続けなければならないこと(仕事、浮世の義理)があるなら、どうしたらいい方向に持っていけるか考えないといけません。言いっぱなしが一番良くない。患者さんといっしょになって役に立つアドバイスをみつけていきたいと考えています。

 

5 ふつうのおじさんにもどりたい

 

 もともとただのおやじだろ!! そうです。なんのめぐりあわせかお医者さんになっていますが、中身はただのおやじです。だから、仕事をはなれれば、おいしいものを食べ、したいことをして、泣いたり笑ったりするオヤジでいたいと思います。そのかわり、仕事のときだけはしっかりやりたいと思っています。あとはダラーンです。

 

 良くも悪くも、ふつうのおやじの皮ふ感覚をもったまま、この仕事をつづけていくつもりです。

 

 体力・気力はありそうでないので、往診や在宅診療はおこなっていません。この点は申し訳なく思っています。       

 

 最近感じるのは、年齢が進むと「すっきり治る」というよりも、「上手に付き合っていく」からだの故障が増えていくということです。これは自分のからだでも実感しています。でも、それはあきらめろということではありません。どうやって楽しく生きるか、やりたいことをするのか。そこには柔軟な発想と実行力が必要になります。微力ですが、そのお手伝いができればと思っています。

 

「リハビリ できること・できないこと」もご参考にしてください。