1960年代、東京オリンピックに日本中が興奮していた時代、オーストラリアが陸上の中長距離で大活躍していました。なかでもハーブ・エリオットはフォー・ミニッツ・マイル(当時1マイルを4分切るのは不可能と思われていた)を競った選手の一人で、当時の世界新記録を打ち立てました。パーシー・セラティはそのお師匠さんです。
競走馬の走りに着眼して独特のランニング理論を開発し、オーストラリアや海外の選手を育成しました。野生の感性を取り戻すために上半身裸でやりをもって駆けまわったり、足腰の鍛錬のために砂丘を駆け上り、駆け下ります。バーベルや懸垂などの筋トレも行いました。自然のエネルギーを取り込むため、ナッツや生野菜オンリーの食事を勧めました。
選手とともに走り回り、70代のときに名言「オレより速く走るやつはいっぱいいるが、オレより激しく走るやつはどこにもいない!」を残しました。きちんとメシを食い、カラダを鍛えれば年はとらない、死なない!はず!
強烈な個性が多くの人の心をとらえ、日本を含め世界で熱烈な信奉者を生みました。
「Why Die?」(直訳;なぜ死ぬ?)はそんなセラティさんの伝記です。10年以上前に読んで、今も心に残る本の一つです。