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五十肩のセルフマッサージ

 

 

五十肩(肩関節周囲炎)の多くは筋肉が原因でおこります。肩の痛みに関連する筋肉は20種類くらいありますが、ここでは一番原因としてよくある4つの筋肉のセルフマッサージをご紹介します。

 

1 斜角筋

くびの付け根の前よりにある筋肉です。五十肩のボスキャラ的存在で、この筋肉が強くこってくると痛みが肩に放散し、肩回りのいろいろな筋肉に二次的なトリガーポイント(押して痛むところ)を生じます。頭の重さを支える大事な筋肉ですから、長く座り続ける仕事(デスクワークや運転など)では、じっとしているだけでこの筋肉がこってくることがあります。くびの横、やや前をさわって固く張った筋肉を見つけてください。痛いところをみつけて指先でマッサージします。

 

赤く塗られているところがこの筋肉で痛みが生じる場所です。とても広くて手まで広がっているのがわかります。ペケ印が押して痛むところ(トリガーポイント)なのに、肩から腕全体に痛みが広がっています。

 

2 肩甲下筋

腕を持ち上げたり、内側に回す筋肉です。わきの下の奥に写真のように指を押し込むと触れます。肩甲骨の前にある筋肉なので、肩の後ろに向かって指を押し付けると触りやすいでしょう。指先でのマッサージの他すりこ木などの道具でもできると思います。

 

筋肉の位置と自分が感じる痛みの場所が全くちがいますね。

 

3 棘下筋

肩甲骨のまうしろにある筋肉です。肩甲骨の上を後ろから押して痛いところを見つけます。痛いところがたくさん見つかるはずなので、細かく場所を変えてマッサージしてください。

 

この筋肉でも、こんなに広い範囲が痛くなります。原因としてとても大きい筋肉です。テニスボールを壁に当ててマッサージする方法もよく効きます。

 

4 棘上筋

肩の上、うなじのやや後ろ、肩甲骨の上にある筋肉です。痛いところを見つけたら上から押してマッサージします。

 

痛みが強いと肘まで痛みが広がることがあります。

 

5 マッサージを自分で行う時のコツと注意点

 

1. 押して気持ちいい~ちょっと痛いけれどがまんできるくらいで行う

 

2. いちどきにたくさんやらず、少しづつこまめに行う

 

3. 手が届かないところ、やりづらいところはほかの方法で・・・テニスボールや器具を使ったマッサージ法をクリニックホームページに載せてありますので参考にしてください

 

さらに細かく知りたいとき、今はお手軽ないい方法があります。スマホアプリで「トリガーポイント」と検索してください。おすすめは「筋のトリガーポイント」です。だれでも自分が痛みを感じる部位をもとにどの筋に問題があるかわかりやすく図示されています。拙著「痛みの臨床に役立つ手技療法ASTR」もご利用いただければ幸いです(上の挿絵は同書から転載しました)。

 

トリガーポイントマッサージがどんなものか知りたい方はクリニックのホームページ⇒「マニュアルメディシン」⇒「トリガーポイントの知識」を読んでください。

 

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