まだベアフット・ランニングという言葉もないころ、一人の少女が世界のランニングシーンをはだしで駆け抜けました。
彼女の名はゾーラ・バッド。イギリス代表として1984年のロスアンジェルスオリンピック代表選手、1992年には南アフリカ代表として、オリンピックに出場しました。1966年生まれなので18歳でオリンピックに出たわけですが、なんといっても世界を驚かしたのは靴を履かずはだしで走ったこと、そしてダイナミックな走法でつぎつぎと記録を塗り替えたことでした。女子5000メートルの世界記録を2回樹立し、世界クロスカントリーでも2回優勝しています。
南アフリカは当時アパルトヘイトの是非をめぐって激動の時代で、南アの選手は1964年の東京から1988年のソウルまでオリンピック出場ができませんでした。ゾーラにとっては選手として一番充実した時代と重なってますから、ほんとうならもっともっと活躍できたはずです。
その後結婚してアメリカに移住して、現在は陸上のコーチをされているそうです。1マイル4分17秒57の英国記録は現在も破られていません。
ゾーラの活躍したころのビデオです。
まさに野生の走りが魅力的ですね。こうしてみると人間は本来はだしで走るのが自然だということがよくわかります。少女のころから、はだしでアフリカの大地を走り回っていたことで、強くてしなやかなからだが作られていったのでしょう。