ジョイント・バイ・ジョイント・アプローチ
単純に体の各部位すべての可動性を上げればいいと考えるのではなく、各部位が本来持つ機能を考えて柔軟性を作っていく。
具体的には以下のようになる。
- 足関節 運動優位
- ひざ関節 安定優位
- 股関節 運動優位
- 腰椎 安定優位
- 胸椎 運動優位
- 肩関節 安定優位
たとえば腰痛のほんとうの原因は、股関節の柔軟性のなさであることが多い。隣接する下位の関節の柔軟性がないと上位の部位に問題が生じる。
足首が硬ければ、膝に問題が、股関節が硬ければ腰が、胸椎が硬ければくびや肩に問題が起きやすい。
また悪循環の問題がある。股関節が硬くなると代償的に腰椎の可動性が増し、さらに股関節が硬くなる。
腰椎はたくさんの椎体間の関節からなるが、基本はすべて安定性のために働いている。それなのにここ10年くらいのトレンドは腰椎の可動性を高めることが重要と考えていたのだ。
そこで近年はむしろ胸椎の可動性を高めたほうがいいという意見が専門家の間で高まってきている。
原則として、安定性を求める部位では筋力強化を、運動性を求める部位では柔軟性を高めることが重要なのだ。
胸椎の可動性
胸椎ドリル1
シンプルにフォームローラーで胸椎をほぐす。
胸椎ドリル2
胸椎の各レベルで2連のテニスボールを置いて、そこに体重をかけたまま、小さな動きを繰り返す。テニスボールの位置を変えながら胸椎各レベルを動かしていく。
胸椎ドリル3
正座した状態で体を前に傾け、胸椎を意識して回旋を行う。
足関節の可動性
足関節ドリル1
図のように膝を壁に近づける。
足関節ドリル2
レッグ・スウィングは股関節のエクササイズと考えられているが、足首をやわらかく使うことを意識すればいいエクササイズになる。
股関節の可動性
股関節ドリル1
スプリット・スクアットは筋トレにもなるが、可動性を高める効果もある。
股関節ドリル2
ラテラル・スクアットもいい練習になる。
股関節ドリル3
シングル・レッグ・ストレート・レッグ・デッドリフトも同様である。
上半身の可動性
フロア・スライド
- 肩甲骨を床に押し付ける
- 手・手首を床につける
- 前腕を床の上で滑らすように上に上げる
- ややつらく感じるところまで上げる
意外とうまくできないことにおどろく人が多いエクササイズだ。