ブーマーウォーク 7.

競歩の技術(続)

 

 

図4-5 前のストライドは短く、後ろのストライドは長く

 

 

 

つま先をあげる

 

 フランク・アロンギの講習について述べたときに、つま先をあげることを説明した。足首を曲げてつま先をあげるとひざをまっすぐ伸ばす助けになる。つま先をあげていれば足はロッキング運動をするから、ベントニーの警告を受けにくくなるはずである。注意:靴の中で指先を持ち上げようとしてはいけない。つま先が上を向くのは足首が曲がっているからであって、指先をぴんと立てているからではない。

 

 競歩初心者にとって、もっとも難しく感じるのは足首を曲げて靴のつま先を上向きにし続けることだ。足首を曲げる筋肉はすねの前側についている。初心者はここがすぐに疲れて、短い距離を歩いただけで痛くなるはずだ。大学生だった娘が定期的にトレッドミルで5キロ走っているころに、競歩を試してみたことがある。30メートルも行かないうちにすねが悲鳴を上げ始めたそうだ。

 

 ありがたいことに足首を上に持ち上げる筋肉はどんどん強くなる。練習すればするほど強くなる。第6章にあげた練習をすればさらに強くなる。あらゆる身体活動と同様、慣れが必要なのだ。はじめはがんばりすぎないようにしないと練習後も痛みが残ることになる。痛みが残って2,3日練習を休みたくはないだろう。この技術を学ぶ時間がたっぷりあることを忘れないように。

 

 前に述べたように、良い競歩用のシューズはたいていのランニングシューズやクロストレーニング用シューズよりもかかとが低くできている。かかとの低い靴を履けば、足首を曲げてつま先を上げやすいのがわかるはずだ。はじめのころはかかとの分厚い靴で練習していたが、低い靴に変えた途端にちがいが実感できた。

 

 

 

図4-6 かかと接地のとき足首は曲がり、つま先は上を向いている