長距離走者の孤独

 この本を読んだのは、たしか大学生のころだったと思います。当時意図せずに医学部に入ったわたしは、はたして医学生としてやっていけいるのか不安に感じていました。自分のような人間が医者になっていいのだろうか?と、とても疑問に思っていました。


  周りはいかにも自信があって医学部に進んだ人ばかりのように思えて、自分がこんなところにいていいのだろうかと考えていました。そんな時に読んだのがアラン・シリトーの「長距離走者の孤独」です。


 鬱屈を抱えたまま少年院に入った主人公は、更生プログラムにあった長距離走に参加した間だけ自分に戻ることができました。このまま走って脱走することが可能だろうか?でも、走っている間だけは本当の自分になれる気がする。このまま、いつまでも走っていたい!


 ゆれ動く思春期の心のゆらめきを、ワンショットでとらえた小説です。


 と、ここまで一気に書きましたが、原作に忠実な解説なのか、本当はわかりません。ちょっとでも興味を持った方がいましたら、ぜひ一度読んでみてください。