Jonathan Beveryさんの書いた「YOUR BEST STRIDE」を少しづつ抜き書きで紹介します。
二つの神話
「誰にも当てはまる完ぺきなフォームなどないが、誰でも自分のフォームをよくすることができる。」
ランニングフォームについていろんな意見があり、皆それなりの理論があり、賛同する人がいます。どれが正しくてどれが間違っているのか、外から見る人にとってはとても困る状態です。
けれども、頑固に信じられている二つの神話があって、これはなんとかしないといけません。
その二つとは、
- 誰もが見習うべき完ぺきなフォームがある
- 身体は皆ちがっているのだから、フォームもちがっていて当然、変えることはできない
だから一流ランナーのフォームを見て真似ようとしてもうまくいかず、なんとか真似してもぜんぜん速くならないわけです。そこで、とりあえず体力をつけて、足に合う靴を見つけて弱点を補強しようとします。
そこで3番目の神話「靴が問題点を解決してくれる」が生まれてきました。
そして、三つともちょっとづつですが、本当のことを言っているのです。
どこかの陸上トラックで競争している人たちを見ていると、先頭の集団の走りは軽く、弾むようで美しいのに気づくでしょう。それに比べると後ろの人たちのフォームはばらばらで、あまりかっこよくありません。
けれども、もう一度先頭を走るランナーたちを細かく見ると、腕の振りや姿勢など皆異なっていることに気づきます。誰一人として同じ体つきはしていないし、手足の動き方も違います。
じつはあなたの身体にも、同じようにあなただけの特徴があって、あなたの身体に向いた、無理のない合理的な動き方があります。
山を流れる川は地形に合わせて最も無理のないところを流れていきますが、途中で流れを塞ぐものがあれば蛇行するしかありません。ランニングの場合、ながれをふさぐのは、ある部位の筋力不足だったり、からだの柔軟性の不足だったり、運動パターンのくせです。
この本ではフォームの細かい点を述べることはしません。そのかわり、フォームをよくする上で最も根本的なことをどのようにして変えていくかを皆さんにお話ししていくつもりです。2へ